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▼バードさん:
>以前、part1で「コンフォートな乗り味と、スポーツライクなコーナリングにも適うという
>物理的に相反する動作をひとつのダンパーで共存させるのは難しいのでは?」
>と書かせていただきましたが、とくさんの車を試乗されてどうでしょう?
>率直なところ両立できているとお感じになられたでしょうか?
>
>また、やや不利とお感じになられたノーズダイブやロールに関しては、
>どれくらいの速度領域でのご実感でしょうか?
>
>よければご意見をお聞かせ下さい。
>
バードさん、こんにちは。
基本的に、ショックアブソーバーのみでスポーツ性と乗り心地を両立させるのは、電子制御にでもしない限り無理で、ネオチューンでもそれは無理だと思います。
やはり、コンフォートと名乗っているように、乗り心地に重点を置いたセッティングですね。
試した速度域は、40〜60km/hぐらいですが、揺れの収束は、徐行時に急ブレーキを掛けてみて、ノーズダイブしたあとの揺れの収束具合をノーマルと比較するなどもやりました。
ロールに関しては、初動でやや大きめというのは感じます。ただし、急旋回ではタイヤが15インチのせいかすぐにグリップ力を失って流れるのでロールよりもタイヤの性能の方が気になりました。
ですが、減衰力の違いはノーマルに比べて思ったほど大きくなく、乗り心地を重視される方には良いかと思います。
また蛇足を書かせてもらいますが、乗り心地を良くするだけなら、逆に、ロールやピッチングを抑えるだけなら、別にコストも掛からず難しいことではありません。
純正の場合、乗り心地や走行安定性に加え、緊急時の安全性はもちろん、様々なことを考慮し、もちろん、限られたコスト内で設計されますが、力学的なことや工学的なことは高度に計算されて設計されます。
たとえば、雨の高速で前を走るトラックがバーストしていきなり横転した時、星野和義氏は車をスピンさせて危険を回避しました(昔、実際にあった話しです)が、そのようなテクニックを持ち合わせない一般のドライバーでも、なるべく安全に危険回避ができるよう設計しなくてはなりません。
また、ピッチングやロールも、加減速感や遠心力がドライバーに人間の感性として伝えやすく設計されます。
さらに、低周波の揺れは乗り物酔いを誘発しやすいので、なるべくそれを抑えるよう設計されます。
しかし、車のデザイン的な事情もあり、これら全てをベストにセッティングすることは無理なので、ある点で妥協が必要です。
日産でフェアレディーZやGT-Rなどのサス設計に携わった宇野高明氏によると、まずはサスペンションジオメトリーでフラットな姿勢を狙い、それで足りない場合はスプリングやショックアブソーバーなどを固めていくことなる。したがって、サスペンションシステムに自由度が少なく、ジオメトリーで実現レベルが低い場合は、乗り心地が悪くなったり、タイヤが多少はねたりしながらもばねやショックアブソーバーを固めざるをえないこともあるとのことで、ショックが固い=コストダウンというわけではないんです。
ま、一般の人がそう誤解するのは仕方ないにしても、自動車評論家までもそのような誤解をしているのは嘆かわしいことです。
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