Page 193 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼地球温暖化、ハイブリッドカーとF1の将来 アホウ鳥 07/6/29(金) 3:29 ┗Re(1):地球温暖化とF1の将来 さるぱ 07/6/30(土) 9:17 ┗Re(2):地球温暖化とF1の将来 アホウ鳥 07/6/30(土) 12:25 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 地球温暖化、ハイブリッドカーとF1の将来 ■名前 : アホウ鳥 ■日付 : 07/6/29(金) 3:29 -------------------------------------------------------------------------
その世界では泣く子も黙る存在の科学論文雑誌、Nature誌の6月21日号の表紙が、カナダグランプリにおけるフェラーリとマクラーレンの競り合いで飾られています。 そこに付けられたキャプションは、 「これ(FI)はどれだけグリーンか?−燃費性能に向けて競うF1」 (How Green Is This? – Formula 1 in race for fuel economy) 本文記事では、F1主催団体、FIAのMosley 会長とF1製造者協議会代表のGoeschel氏とのインタビューや最近の技術開発動向を元にF1の向かう方向が紹介されています。その趣旨を私なりにまとめてみると、 【従来のF1】 50年代から70年代のF1は、事故死が年間10人にも達する危険なスポーツであると共に技術競争の成果が市販車にも注がれた。例えば、ディスクブレーキやターボチャージャーなど。 【最近のF1】 80年以降、安全性の優先度が高まり、その方向でルール改正、エンジンの規制強化や車体とその周辺の安全性能の向上が図られた。その結果誌、事故死が著しく現象(年間2人程度) 【現状のF1の問題点】 * F1のもたらすCO2排出(平均的な燃費は60-70 l/100 km、つまり2 km/l以下)や騒音、さらにF1全体を一つの産業として捉えた場合などの環境負荷の大きさにより、F1が社会から否定されるべき存在となりつつある。 * F1における技術競争・技術革新が、市販車への波及効果を期待するものであるとしても、既にオーバーエンジニアリングになっている(市販車の必要性をはるかに超えている)。 * 現在の規制の枠組みのF1における技術競争・技術革新そのものが限界に達している。例えば、各F1チームが毎年、エンジン開発と空力特性の向上に大金をつぎ込んでも、100万ドルあたりそれぞれ4ミリ秒と20ミリ秒のラップタイムの向上にしかならない(つまり実質的な向上はない)。さらに技術の質的な革新がほとんどなくなっている。 このような認識の元に、Mosley 会長は、FIA自からがルールを改正して、F1を地球持続性に適合するものに変えて行こうとしています。もちろん、そこで強く意識しているのは、プリウスを初めとするハイブリッドカーの存在です。 【F1の向かう方向】 * 環境と両立するF1を目指して、2009年に大幅なルール改正を行う。。 * 燃費の向上そのものを競う方向を目指す。 * 最終的にはレースあたりの燃料の制限を目指す(当面の移行期は、ピットインにおける燃料補給は可とする)。 * 市販車の環境性能向上に貢献するF1を目指す そこで、まずねらうべきは、化石燃料の持つエネルギーの3分の2を無駄に熱として棄てている現状のF1カーのエンジンを変えるということになります。 【環境と両立するF1を実現する技術】 * まずはお決まりの減速時の運動エネルギー回収装置(つまり回生ブレーキ)の導入。想定されている一時的エネルギー保存装置としては、リチウムイオンバッテリー、スパーキャパシター、さらにフライホイールなど。これを利用してヘアピンカーブにおける減速後をエンジン+モーターで加速することにより、さらに迫力が増すという期待もある。 * ハイブリッド制御システム(エンジンとモーターの協調制御)にはまだまだ改良の余地がある(F1で競うのに最適)。 * エンジン・排気ガスからの廃熱そのものエネルギーを回収する装置の開発。例えば、BMWが開発しているTurbo Steamerとか開発者不明のTurbo-Compound。 * 2011年にはF1の燃料に、バイオ燃料を導入する。 * FIAのF1とは別経路だが、ゼロエミッションの燃料電池車でのレースも2008年か2009年には始まる。 【環境と両立するF1は実現可能か?】 Goeschel氏によると、最初はF1の技術者達もこのような方向転換にとまどったそうです。しかし、新しい目標そのものが新しい挑戦そのものであることに気づくと、すぐ前向きに取り組むようになったとのことです。 また、現在のアドレナリン中心のF1ファン(興奮と刺激を求めるF1ファンという意味か)が、新しいF1を受け入れるかということもあります。しかし、きっと技術者と同じように新しい技術競争に興味を持ってもらえるのではと、Mosley氏は考えているようです。いずれにしても、社会に受け入れられないF1は存在できない、という結論に達したということですね。 さあ、私たちプリウスマニアも、新しい自動車社会のユーザーとして、胸をはってプリウスの有効利用につとめましょう。でも無駄走りはだめですよ。○○○さん。 (○○○の中には適当に御自分の名前を入れて読んでください) 超長文失礼しました。 |
▼アホウ鳥さん: >その世界では泣く子も黙る存在の科学論文雑誌、Nature誌の6月21日号の表紙が、カナダグランプリにおけるフェラーリとマクラーレンの競り合いで飾られています。 私も、F1雑誌かと思いました(笑)。勝つためにはある意味すべてを犠牲にするF1の世界でさえ、地球環境問題を意識してアピールしていかなければならない時代になったということなんでしょうね。 #それにしても今年のハミルトンはすごい・・・。 |
▼さるぱさん: > >私も、F1雑誌かと思いました(笑)。勝つためにはある意味すべてを犠牲にするF1の世界でさえ、地球環境問題を意識してアピールしていかなければならない時代になったということなんでしょうね。 さるぱさん こんにちは。 おっしゃる通りだと思います。 F1が、速さと操作性で勝負する現状から、 人類としての生存を掛けた闘いへと どのように変化していくかが興味深いですね。 また紹介されている幾つかの技術の中で、 運動エネルギーの回収・保存先として、電気エネルギーではなく 運動エネルギーのまま(重量を必要とする)フライホイールをつかうなど、 移動体としてのF1で可能なんでしょうか? 素人的には、チョロQのゼンマイバネの方がわかりやすいんですが、、、 重量あたりでの保存エネルギー密度はとか、興味は尽きません。 さらに、最も質の悪いエネルギーとして習った廃熱エネルギーを 如何に回収するかなど、まだよくわからないこともあります。 それから、前の書き込みで出典を示すのを忘れていたので、下に入れておきます。 http://www.natureasia.com/japan/nature/index.php?n=7147 http://www.nature.com/nature/journal/v447/n7147/index.html そのままでは本文は無理ですが、表紙の写真は見ることができます。 ではまた。 |