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某自動車メーカーでボディ設計に携わっています。 ヘッドライトの黄ばみは非常に悩ましいですね^^; ヘッドライトの樹脂というのは二層にコーティングされています。
全体の骨格(クリア部分)を成すのはポリプロピレン樹脂(以下、PP)です。(バンパーなどと同じやわらかい樹脂です) PPは比較的安価で加工もしやすいのですが、いかんせん柔らかいためにキズが付きやすく、走行していると空気中に含まれる砂ぼこりが高速でヘッドライトの表面をこすってしまう関係でひどいと数カ月もすれば粗めのコンパウンドで擦ったような状態になってしまいます。また紫外線にもとても弱くmすぐに黄ばんで劣化します。
それを防ぐためにPPを全体的にコーティングするような形でウレタン樹脂が吹きつけられています。ウレタンは紫外線による劣化にも強くPPに比べて非常に硬いため、表面にキズが入ったり黄ばむのを防ぐ事が出来ます。ただしウレタン樹脂は材料として非常に高いため、全体をウレタンで作る事はコストの問題から行いません。
二層化しているのはコストとパフォーマンとを天秤にかけて最適になるよう考え抜かれて作られています。(厳密にいえばコストだけの問題ではなく、ウレタンのみで形成してしまうと柔軟性に欠けるために構造的に弱い部分が生じてしまう、という理由も有りますが・・・。)
ウレタンも樹脂の中では強い方ではありますが、あくまで樹脂ですのである一定の量の紫外線をあびると急激に劣化するポイントがあります。皆さんが黄ばんでいると考えられているのはこのウレタンの層が劣化した状態です。表面を研磨すれば一時的に黄ばみはとれますが、先述のとおりウレタン層というのはキズを防ぐ大切な層となりますので、ここを削ってしまうとPPがむき出しになってしまうだけでなく、PPは紫外線にも非常に弱いためにPP自体が黄ばんでしまいます。(ヘッドライトの骨格自体が黄ばんでしまいます。こうなるとどんなに削っても、もうどうにもなりません。)
ですからウレタン層を削る際にはかならずウレタンで再度コーティングしてやる必要があります。市販の研磨剤とコーティング剤がセットになったものが流通していますが、あのように塗るだけのコーティング剤というのはコーティングとして役になっているのか非常に懐疑的です。
ですのでもし黄ばみをDIYで何とかしたいという事であれば黄ばんだウレタン層を黄ばみが見えなくなるまでコンパウンドで研磨→市販のウレタン樹脂(スプレー?)で塗装→ひずみが生じないように仕上げの研磨というのが理にかなっていると思います。(こんな事はやったことありませんが(笑) 長文失礼致しました<(_ _)>
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