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▼大貫さん:
水素という燃料の技術はまだまだ発展途上の技術なので不安をもたれることは当然ですが、興味を持たれるだけの期待の技術でもあると考えます。
もう少し安全などについてご理解頂きたく続けてResを書いてしまいました。
>無色透明な火を噴く火炎放射器がなかなか止まらないというのは、ちょっと困る気がします。
「火炎放射器」というのを心配されているようですね。火炎放射器というものを見ることはありませんが、映画などで見るイメージを想像されているのだと思います。
液体が空気中で直接燃えるということはほとんどなく、燃える水「石油」も燃えるときは気体なので、「可燃性ガス」=燃える、というイメージは間違っていないと思います。
身近な例では都市ガスですが、今の主成分はメタンでありバーナーで空気-燃料比がうまくあっていれば青白い炎を出して燃えています。
さらに火力の強いアセチレン-酸素バーナーというのが比較的身近にあります(工事現場など)。あれは、アセチレンガスと酸素ガスをバーナーのところで混ぜて着火することによって極めて温度の高い炎を作る道具です。
よく鉄の扉などを切っているシーンなどが映像でも見られると思いますが、温度が高いだけでは鉄を簡単に切ることはできないため、バーナーのノズルには酸素だけの噴出孔があります。温度が高くなったところに酸素を吹き付けて、一気に酸化させて切断します。鉄を溶かして切るというのはできません。バーナーというのは意外と複雑な構造をしています。
アセチレンは極めて燃えやすく、水素などよりずっと取扱いに注意が必要な物質ですが、それでも燃焼用の酸素の量や切断用の酸素をうまく使わないときちんと燃やすことはできない、ということを説明したかったのです。一度燃えると続けて燃えるということはありますが、空気と燃料の量をうまく調整しないとうまく燃え始めないというのはどんな燃料にもあてはまります。
ボンベの出口で火炎放射器を作るというのは、難しいと思いますが、「万が一」を心配されるというのも分からないではありませんし可能性ゼロといいきることもできません。
安全にも「絶対」という言葉をつけることはできませんが、衝撃に対する強度という意味では、ガソリンタンクとガスの容器では全く比較にならず、また漏れたときにどちらが引火しやすいか、燃え広がりやすいかと考えたら、水素の方がはるかに安全だと思えます。
別にガソリンが危ないと言っている訳ではありません。今のガソリン燃料をそれほど心配せずに使っているのであれば水素ガスはそれほど心配しなくてもよいのではないかという意見です。
しかし安全と安心は別の次元の話なので、まだまだ先が長い技術だと思っています。
>流量(質量=流速×密度)ではないですよね?
少し気になりました。
この式から、流速m/s、密度kg/m3の掛け算をすればすぐに分かりますが、単位はkg/m2sです。
これは「流量」ではなく「質量流束」です。
単位時間に単位断面積を通過する全ての物理量・化学量を流束fluxという概念で表現しますが質量にもmass fluxという概念があります。
これに対して流量 flowrateは、kg/sの単位です。
単位時間あたりの物質量を速度と読びますが、流体の場合は、距離を流速m/s、量を流量と呼んで区別しています。体積流量、質量流量、モル流量などがあります。
ここで、流量=流束×断面積ですから、圧力を上げても流束が増えないという状態であっても、噴出している穴が大きくなれば当然、流量は増えます。
穴ではなく、バルブであれば開度を大きくすることによって流量を増やすことができます。バルブが全開になったあとは臨界圧力比以上にいくら圧力を上げても流量は増加しません。
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