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▼大貫さん:
水素ガスを用いた燃料電池車が乗用車に使えるかどうかは今後の課題ですが、とにかく一般の人がガスのことをあまり知らず、新聞記事などもかなり中途半端な情報が多く、誤解が普及を妨げるかも知れません。
このようなガスの安全性を理解するのに、化学の知識としては高校程度で十分だと思いますが、物理(熱力学)としては理科系大学1年生程度の理解度がどうしても必要です。一般にはなかなか理解されないのが難点です。
>容器の口には、配管の折損などに備えた遮断弁があるのでしょうね。こういうメカ部分が比較的弱い部分かな。
水素は基本的には大気中にもれてもあまり危険ではないので緊急遮断弁のようなものはついていないと思います。よけいなものをつけるとそこが故障の原因になりますから。容器自体はとてつもなく丈夫なので元弁そのものが壊れるのがこわいと思います。
>さっき、東京モーターショーに展示されているFINE-Nの裏返しモデル(床下)をNHKが映していましたが、赤い容器がむき出しになっていました。もちろん走行時には空力カバーが着くのでしょうが、プラスチックのカバーで石跳ねなどによる傷から守れば充分なのでしょうね。
赤い色は日本の法令によるものです。FINE-NのものはカーボンFRPだと思います(たぶん)。表面に傷がつかないように容器自体にも保護がされていると思います。
>なるほど。最も絞られたところで音速になってしまう奴ですね。ちなみに、上がらないのは流速(速度)で、流量(質量=流速×密度)ではないですよね?
空気力学や水力学のベンチュリーか何かと勘違いされているのかもしれませんが、流体力学とは取り扱う範囲が異なります。
衝撃波界面が発生する場所は、絞りとは直接関係ありませんが、絞りが少し広がり始めるところにできることが多いです。
音の壁のことを書いたので、分かりやすく流速と書いてしまいました。すみません。臨界圧力比を越えたところで、頭打ちになるのは質量流束(流速ではなく流束)です。したがって、一次側の圧力をあげても流量は増えません。
>無色透明な火を噴く火炎放射器がなかなか止まらないというのは、ちょっと困る気がします。ガソリンと違って薬剤処理もできませんし。泡やガスで酸素を絶って消火しても、トンネル内での多重衝突事故であちこちから吹かれたりすると厄介です。
たぶん水素ボンベから出た水素が直接燃えるということはなかなかないだろうと思いますが、燃料電池のまわりでちょろでょろと燃えることはあるのかも知れませんね。ガソリンのような爆発的な燃え方をすることはありませんが、トンネルの中で大量にたまるのが危ないとは思います。
>そんなことが起きるのですか。超高圧は別世界ですね。
これは超高圧が原因ではありません。
炭酸ガスが昇華(気体から固体へ)するという性質によるものです。
固体の摩擦による静電気です。
したがって低圧の炭酸ガスでも噴射時にスノーになると感電しますよ。
水から雪を作る場合は静電気が逃げやすいのでびりっとはこないようです。
>ちょろちょろならそうですね。単独事故程度では安全に思えます。石油と比べて多少難点があるとしても、全体として安全であれば良いわけですから。
ガソリンや軽油は比較的蒸気圧が低いため取り扱いが楽で安全なように錯覚してしまいますが、灯油などに比べるとかなり危険な物質だと思いますよ。
ちょっとしたことで大爆発するのは、最近の(放火事件や解体屋事故など)ニュースでもよくみているはずなのですが車に使っているためつい油断してしまいます。
給油時間の短さは、やはりガソリンが一番ですが、エンジンかけたままの給油は重罪です。
水素はガソリンに比べてまだまだ充填が大変です。
しかし、軽いということは非常に安全上有利なのです。
免許のない人間が触れないというのは欠点かも知れませんが、今のところ、安全上はよいことなのだと思います。
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