Page 2497 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼初心者向け「ブレーキ抜け」問題のまとめとリコール改修後のご注意 ドガチャーン 10/2/19(金) 1:43 ┣Re:初心者向け「ブレーキ抜け」問題のまとめとリコール改修後のご注意 すもも 10/2/19(金) 7:46 ┃ ┗Re:初心者向け「ブレーキ抜け」問題のまとめとリコール改修後のご注意 ドガチャーン 10/2/20(土) 21:56 ┣Re:初心者向け「ブレーキ抜け」問題のまとめとリコール改修後のご注意 ユキ 10/2/21(日) 9:10 ┗Re:初心者向け「ブレーキ抜け」問題のまとめとリコール改修後のご注意 プリ待ち 10/3/3(水) 23:07 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 初心者向け「ブレーキ抜け」問題のまとめとリコール改修後のご注意 ■名前 : ドガチャーン ■日付 : 10/2/19(金) 1:43 -------------------------------------------------------------------------
私のように自動車の知識が少ない方は、未だに今回の「ブレーキ抜け」問題についてよくわからない、不安が残るという方も大勢いらっしゃると思いますので、私なりにわかりやすくまとめてみました。 ○基礎知識(ABSとは?) →滑りやすい路面を走行中、急ブレーキをかけるとタイヤがスリップしてロックし、ちょうど車が路面の上をスケートをしているような状態になって、止まることも曲がることもできず非常に危険なのですが、いったんブレーキを緩めるとタイヤのロックが解除されて再びタイヤが回転を始めます。そして再度ブレーキを踏むことによって制動力を復活させることができます。このようにブレーキを緩めたり踏んだりを繰り返すことをポンピングブレーキといいますが、これを自動的に行うのがABSです。手動のポンピングブレーキよりも遙かに高速かつ適正なので、とても重要な機能です。しかし、高速に油圧の増減を行うので振動やノイズが生じ、これを不快というドライバーもいます。 ○新型プリウスの新しいブレーキシステム →プリウスのブレーキシステムは、回生協調システムで、回生ブレーキとモーターポンプ油圧ブレーキを併用しつつ、コンピュータが場面に応じて両者の割合を最適に調整しています。当然回生ブレーキの方がブレーキとしては効きが弱いわけですから、概ねドライバーが求める制動力が低いときに、回生ブレーキを最大限利用しようとします。しかし、ブレーキを踏み始めた瞬間から油圧ブレーキも立ち上がっていますので、ブレーキ踏力が弱いときには、通常の油圧ブレーキに比べて制動力が高いという特性があります。 →旧型プリウスのモーターポンプ油圧ブレーキは、高精度な油圧調整ができ、ABS作動時にも適度な油圧に調整することで振動等も抑えられる優れたものでしたが、コストが高く、重量も大きいという欠点がありました。競争が激化するハイブリッド市場の中で、トヨタはこのブレーキシステムの簡略化、軽量化、コストダウンの必要性に迫られ、ブレーキシステムを一新することでこれに対応しました。しかし、新しいブレーキシステムでは油圧調整力が低いため、通常のABS同様の振動やノイズが生ずるという欠点もありました。そこで、ABS作動時にはペダル・ストローク油圧ブレーキ(踏んだ分だけ油圧が上がる、一般車のブレーキと同じようなもの)に切り替えることにしました。上記のとおり、ペダル踏力が低いときには、こちらの方が制動力が弱いことから、ABS作動後の油圧復帰が低めに抑えられ、タイヤが再ロックして再びABSが作動するということを繰り返さない、つまり振動等を抑えることに効果がありました。また、ペダル・ストローク油圧ブレーキは、電源が落ちてモーターポンプが作動しないときのバックアップにもなり、旧型プリウスで装着されていたバックアップ装置が不要になって、さらにコストダウン、軽量化につながりました。このように、新型のブレーキシステムは、一石三鳥の優れたシステムとなるはずでした。 ○「ブレーキ抜け」問題の顕在化 →ABSは本来、滑りやすい路面での急ブレーキという、緊急の場面で威力を発揮する装置で、そのような場面でのテストは何度も繰り返され、新型のブレーキシステムに問題がないことも確認されていました。ところが、プリウスの運転者は回生を働かせるため緩く長くブレーキをかけようとしがちであることに加え、プリウスのブレーキは上記の特性によりペダル踏力が弱いときには一般車に比べて強力であること、タイヤのロックを検知するセンサーが敏感すぎることから、不必要な場面(道路の継ぎ目や段差、マンホールなどを踏んで瞬間的にスリップが生じたときなど)で、頻繁にABSが作動してしまいます。そのような状況下では、ドライバーはABSの作動を全く想定しておらず、また上記のとおりABSが作動しても振動が生じないため、ABSが作動したことを知覚できず(従来型ABSでは、ブレーキペダルへのキックバック振動でこれを知覚することができました。)、ABS作動直後の油圧復帰が低めに抑えられている(つまり、ブレーキの効きが落ちる)ことから、「突然ブレーキが抜ける!」という感覚に襲われます。これがブレーキ抜けの正体です。 まとめると、1.不必要な場面でABSが作動しやすい、2.作動しても気付かない、3.気付かないうちにブレーキが制動力の低いものに切り替わる、というのが原因です。気づくのが遅れれば遅れるほど、また気づいてからの対応(踏み増し)が遅れれば遅れるほど、制動距離が伸びてしまいます。これが、「ブレーキ抜け」の恐ろしさだと思います。 ○トヨタの対応 →新型のブレーキシステムの仕様は上記のとおりすべて意図的なもので、システム的には問題がないはずだったたため、トヨタはなかなか「欠陥」を認めなかったのだと思われます。しかし、システム的に問題がなくても、低速走行時の上記のようなドライバー心理についての考察が足りなかったことが、いわば「欠陥」であったと言えると思います。 ○リコール改修のねらいと改修後のご注意 →対策の主な部分は、ABS作動時のブレーキ方式を、ABS非作動時(=通常時)と同じモーターポンプ方式に切り替えることで、ABS作動直後の制動力を、作動直前の制動力まで一気に回復させることにした点です。これで制動力の低下感はなくなりますが、振動やノイズの欠点は復活します。また、ABS作動頻度について修正が加えられたという発表はないので、改修後も相変わらず頻繁に作動するものと予想されます。ましになったとはいえ、作動すればある程度制動距離が伸びてしまうのは当然のことですから、我々ドライバーとしては、ABSの仕組みを理解して、路面をよく観察し、ABS作動時に備えることが肝要です。機械任せにしすぎない、ということなのですが、この点私も反省するところがあります。 今回の件は、非常に残念なことでしたが、逆に得るものも大きかった(メーカーとしても、ドライバーとしても)のではないかと思います。 知識経験豊富な先輩諸氏には稚拙な文章でお恥ずかしいのですが、誤り等ございましたらご指摘いただければ幸いです。 |
▼ドガチャーンさん: 書換えの際の営業の説明は「0.06秒の遅れが制動距離を延ばす」という内容でした。 思わず「フィーリングの問題という発言の技術的背景を説明しないのですか?確かに不用意な発言だが、その誤解を解かなくても良いのですか?」と反応してしまいました。営業相手に動作を説明しかけたのですが、大人げなかったと反省しています。 「ドライバー心理の考察が不十分だったから」ではリコールの理由になりませんので、0.06秒という理由にならない理由を使うのも仕方ないでしょう。 ブレーキシステムの進化に対する世間の評価が残念でなりませんので、このように分かり易くまとめて頂いた事の意義は大きいと思います。 |
ありがとうございます!そのように言っていただけると書いた甲斐がありました。 今回のリコールが、単純な機械的欠陥ではないことを、少しでも多くの人に知ってもらいたいですね。 それにしても、調べれば調べるほど、プリウスは恐るべき技術の結晶だということを思い知らされます。ますますプリウスに乗っていることを誇りに思えるようになりました。 |
ドカチャンさん わかりやすくまとめて頂いてありがとうございます。 いままでイマイチわかってなかったところも理解できました。 会見でも、はじめからこのようなことを説明していれば反感もなかったと残念に感じます。 最先端の塊の車ですので、バグがあることは承知で購入していますので、トヨタには素早い公開と対応をこれからはお願いしたいです。 |
国土交通省のホットラインを確認しました。 今年1月だけで大量のブレーキに関する問題が 投稿されており、納車待ちの身としては みなさまの運動を心からお礼いたします。 トヨタはこの件で大きな社会問題となりましたが 更に会社がよくなると思いますし、安心して 乗ることができるユーザーが増えることを 考えると大きな前進であったと思います。 納車の身であり、率先しての活動はしませんでしたが 繰り返しになりますがみなさまありがとうございます。 当方11月中旬契約の6月初旬納車予定ですので 首を長くして待ってます。 納車されましたらまたお世話になることと思いますが よろしくお願いします。 |